TOKYO 働き方改革宣言企業
建設業
渡部工務店株式会社
本社所在地:西東京市
従業員数:25人(2020年8月時点)
若者が働きやすい環境を整え、若者の教育・育成に力を入れる
渡部工務店株式会社は、生コンクリートを流し込む「型枠工事」を手掛けており、学校や大型商業施設などの現場に職人を送り込んでいる。業界は「きつい・きたない・危険」を指す「3K」のイメージが強い。若者が働きやすい環境を整え、魅力ある職場でこれからの職人を育てたいという思いから、「TOKYO働き方改革宣言企業」に参画した。
安心して働いてもらうため、現場の職人を社員として雇用し、健康保険や厚生年金保険といった社会保険の加入率100%を達成。経営層から定期的にメールなどで残業抑制を呼び掛けたうえで、省力化工法の導入や、最新のパソコンソフトの導入でテレワークを進めるなど、時間外労働時間削減に向けて取り組んでいる。

取 組 内 容
働き方の改善
・残業時間抑制を経営トップが発信していく
・労働時間に関する相談窓口を設置する
・勤務間インターバル制度を導入する
・作業手順のマニュアル化を図っていく
・長時間労働抑制の周知を積極的に行っていく
・社員の働き方・労働時間への意識などの実態把握
休み方の改善
・有給休暇取得を経営トップが発信していく
・年次有給休暇に関する相談窓口を設置する
・年次有給休暇の取得状況を確認する制度を設定する
・業務のたな卸しを行い、業務の再配分を行う
・年次有給休暇の周知を積極的に行っていく
・社員の年次有給休暇への意識の実態把握を行う

電話やSNSの相談窓口を設ける
労働時間や有給休暇取得から、現場の人間関係に至るまで、社員一人ひとりが電話やSNSで気軽に上層部に相談できる窓口を設けた。担当部長が定期的に社員からヒアリングも行い、家族の介護を抱える社員から相談を受け、家から近い現場に配置を換えたケースもあった。
また、元請け業者と協力しながら、現場で女性が働きやすい職場作りにも取り組んでいる。


省力化工法の積極導入で負担軽減
現場の作業マニュアルは随時見直しを進め、新しい工法を積極的に取り入れている。最近では、事前に工場で製造したコンクリート製品を現場で組み立てる「省力化工法」を導入して、作業時間短縮につなげた。内勤ではパソコンで図面を描くための最新ソフトを入れて、テレワーク環境を整えた。
社長が現場でこまめに社員の要望を聞き、忙しい現場には人を増員するなど負担軽減を図っている。また、工事が始まる前の適正な工期・人員配置にも努めている。

INTERVIEW

本人の希望に沿った配置を心掛ける
昔の職人は独立心が強く、「時間に縛られずにたくさん稼ぐ」という考えが主流でしたが、若い世代を入れるには働き方改革を進めなければいけません。私自身が現場に顔を出して、労働環境や人間関係などを確認し、本人の希望に沿った配置を心掛けています。元請け業者などにも理解を求めながら、一歩ずつ環境の改善を積み重ねていきます。

女性への配慮が行き届く現場で作業
私が社内で初めて産休・育休を取りましたが、取りづらい雰囲気は全くありませんでした。女性用のトイレや更衣室が完備されている現場で作業ができ、子どもを保育園に送った後に遅れて現場に着いても、引き継ぎ事項がしっかり共有されるので、スムーズに作業に入れます。社長自ら現場で声を掛けてくれるアットホームな職場です。